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2025年9月2日

包装材規制変更の情報を効果的に収集する方法とは?

プラスチック資源循環促進法(プラ新法)の施行(2022年)以降、容器包装リサイクル法の運用・入札結果の変化や、景品表示法の執行強化などが重なり、包装材・関連表示を巡る実務対応は年々高度化しています。

本稿では、製造業の事業継続性とESG戦略に影響し得る主要論点を整理します。

監視すべき包装材規制変更の類型と特徴

プラスチック資源循環促進法(プラ新法)関連規制

プラ新法では、スプーン・フォーク・ストロー等の「特定プラスチック使用製品(12品目)」の多量提供事業者(前年度提供量5トン以上)に対し、使用の合理化に向けた取組が求められ、取組が著しく不十分な場合は勧告・公表・命令等の対象となり得ます。国が一律の削減数値目標(例:前年比◯%)を義務付けているわけではなく、事業者は国の判断基準に沿って有料化・必要有無確認・代替材活用等の複数手段から有効な取組を選択します。

プラスチック使用製品設計指針は、2022年1月に関係府省共同の告示として定められた設計上の指針で、企業が参考にするためのガイドです。事業者に一律の数値義務を課す性格のものではありません。2025年7月には、同指針に基づく設計認定の基準が清涼飲料用PET容器等4分野で公表され、認定を受ける場合に適合が求められます。

容器包装リサイクル法関連制度の実務ポイント

容器包装リサイクル法では「特定事業者」に再商品化義務が課され、日本容器包装リサイクル協会(JCPRA)経由の入札等で履行します。PETボトルでは、近年有償入札(再生事業者が協会に支払う)が発生する局面があり、その収入は市町村へ拠出されます。

また、再商品化合理化拠出金(想定費用より実費が低かった場合の差額の1/2を市町村へ拠出)等の仕組みがあり、「拠出委託単価」も毎年度公表されます。たとえば令和6年度のPETボトル拠出委託単価は1,800円/トン(令和5年度は1,400円/トン)です。

食品表示法・景品表示法との複合的論点

景品表示法の所管は2009年9月以降、消費者庁です。公正取引委員会は調査等の委任を受けています。環境性能やCO₂削減等の表示は、従来から「不実証広告規制」等により客観的根拠が求められるのが基本で、2024年9月に環境配慮表示の新しい全国一律基準が明確化されたという事実は確認できません。近年はステルスマーケティング規制(2023年10月)や、確約手続の導入(2024年10月施行)など執行の実務整備が進んでいます。

消費者向けの食品表示枠組み(食品表示基準)とは別に、食品用器具・容器包装の「ポジティブリスト制度(安全性)」が2025年6月1日以降の運用に移行します。これは使用可能物質をリストで管理する安全規制であり、2024年12月から容器包装の材質や層構成を一律表示義務化するような新制度は確認できません。

業界別の包装材規制変更情報活用シナリオ

食品・飲料メーカーの環境・法務部門

大手各社では、多品種にわたる包装材の適法性と設計合理化の継続確認が不可欠です。特定プラスチック使用製品の合理化や容器包装の再商品化義務を踏まえ、代替材の活用・軽量化・回収性の確保などを計画的に進める体制づくりが鍵となります。とくにPET飲料・カップ麺・冷凍食品等は保存性・利便性・安全性への影響が大きく、技術検証と量産移行を見込んだリードタイム(例:18〜24ヶ月程度の計画)を早期に確保することが現実的です。

有償入札の動向や拠出委託単価等の年度変動を踏まえ、軽量化・設計変更・再生材比率向上・リサイクル性改善などにより、再商品化・拠出関連の負担低減余地があります。年度の入札・単価公表や自治体仕様への適合度合いをウォッチし、資材・設計の見直しとLCA評価をセットで進めることが有効です。

小売・流通業のサステナビリティ推進部門

PBでは、製造委託先の再商品化義務の履行状況や環境配慮表示の根拠資料の整備状況を継続監査し、特定プラスチック使用製品の合理化(必要有無確認・有料化・代替材等)の実装を店舗オペレーションと連動させる必要があります。

コンビニ・外食・惣菜等では、有料化の必須義務はないものの、判断基準に沿って提供方法の見直し・アメニティの要配布化・再使用促進等を選択肢として組み合わせ、実績のモニタリングと公表につなげることが望まれます。

経営コンサルティングファームの規制対応支援部門

規制・入札・拠出の仕組みは素材別・年度別で変動するため、拠出・委託費用、材料・加工コスト、表示・認証コスト、ブランド影響を統合的に試算するモデルが必須です。入札・単価やPL制度の更新スケジュールをカレンダー化し、パブコメ段階からのシナリオ設計を支援します。

金融機関の投融資・リスク管理部門

事業者の再商品化義務履行能力、環境配慮表示のガバナンス(景表法リスク)、PL制度対応(食品接触材安全)、資材・設計転換の機動性といった「実装力」を、与信・投資判断のクオリティファクターとして評価する動きが広がっています。

包装材規制変更情報の効率的収集・活用手法

従来の情報収集手法の限界と課題

  • 官公庁サイトの個別巡回の負荷
    環境省・経済産業省・厚生労働省・消費者庁等の公表は更新タイミングが分散し、法令・告示・手引・入札結果・報道発表がそれぞれ別ページで公開されるため、手作業でのカバーは工数負担が大きいのが実情です。

  • 業界団体・専門誌頼みのタイムラグ
    公的公表からの二次情報化には一定の時間差が生じ、パブコメ段階からの動向把握や年度単価・入札結果の早期整理を内製できないと、設計・資材調達・表示変更のリードタイム確保が難しくなります。

次世代情報収集サービスStation による課題解決

株式会社リバースタジオが提供する情報収集サービス Station では、AI技術により環境省・経済産業省・厚生労働省・消費者庁・公正取引委員会の公式サイトなどから包装材規制関連情報を自動で収集可能です。

「プラスチック資源循環」「拡大生産者責任」「容器包装リサイクル」などの基本キーワードから、「生分解性プラスチック」「マイクロプラスチック」「海洋プラスチック汚染」などの関連用語まで、包装材規制に関する幅広い情報を漏れなく収集します。さらに、企業の業界・事業規模・使用包装材に応じて、関連性の高い規制情報を優先表示することで、情報収集効率を大幅に改善します。

Station の AI 分析機能では、パブリックコメント段階の規制案について、施行時期・適用範囲・企業への影響度を事前予測し、対応準備期間の最適化を支援します。過去の規制変更パターンと企業対応事例のデータベースを活用することで、類似規制の施行時期や内容変更可能性を高精度で予測し、戦略的な対応計画策定を可能にします。

包装材規制情報は、企業の法務部門・環境部門・製品開発部門・調達部門の連携が不可欠です。Station では、部門別の情報ニーズに応じた情報配信と、社内承認プロセスとの連携により、規制対応の意思決定速度を大幅に向上させます。

まとめ

包装材規制の変化は、製造業の事業継続性・収益性・ブランド価値に直接的な影響を与える重要要因です。プラ新法の運用、容器包装リサイクル法の入札・拠出スキーム、景品表示法の執行、食品接触材のPL制度など、関連領域は多岐にわたります。

数値目標の一律義務化や新たな一斉表示義務といった誤解を避けつつ、最新の一次情報に基づく設計・表示・調達・広報の連携を強化することが、コンプライアンスと競争優位の両立に直結します。

従来の収集手段ではカバーが難しい範囲を、次世代情報収集の導入で補完することは有効です。

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