Station
2024年12月26日

RPAによるDX推進の成功と失敗のポイント:導入ステップから活用事例まで徹底解説

ビジネスの現場では、効率化が叫ばれる一方で、日常の業務にはまだ多くの手作業が残っており、人的ミスや作業負荷の増大に頭を悩ませる企業も少なくありません。そんな中、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)が、これらの課題を解決するための有力な手段として注目されています。本記事では、RPAを通じてどのように業務を効率化し、DXを推進していくか、そのステップとポイントを詳しく解説します。

RPAはDX実現の有効な手段

RPAとDXは同じものではありませんが、密接な関係があります。DXはデジタル技術を活用してビジネスを変革し、成長させる概念であり、RPAはその実現のための手段の一つです。 RPAを導入することで業務を効率化し、生産性を向上させることは、DX推進に大きく貢献します。

RPAとDXの違い

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルやプロセス、組織文化を根本から変革し、競争力を高めることを指します。この取り組みには、新しいデジタル製品やサービスの開発、業務プロセスの効率化、データの活用を通じた意思決定の高度化など、企業活動全般にわたるさまざまな要素が含まれます。DXは単なる技術導入にとどまらず、企業全体の戦略そのものを進化させ、将来の競争力を高めるための重要な変革といえます。

一方、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、具体的な業務プロセスの自動化に特化した技術です。ソフトウェアロボットが、定型的で繰り返し行われる作業を代行することで、人間の労力を削減し、業務の効率化を図ります。特に、DXを推進する上で非常に重要なツールであり、企業がデジタル技術を活用してプロセスの改善や最適化を実現するための鍵となる存在です。

RPAやDXを考える上での課題

RPAやDXを考える上での課題は、RPAをDX推進の手段として捉え、ビジネス全体を最適化する視点を持つこと、そしてRPA導入によって企業文化や組織体制、従業員の意識改革などを実現していくことにあると言えるでしょう。

RPAはDXを実現するための万能なツールではありません。 RPAは、業務プロセスを効率化する具体的な手段の一つですが、DXはデジタル技術を活用してビジネスモデルや組織、プロセス、企業文化などを根本から変革し、競争上の優位性を確立させることを目指すものです。

RPAはDX推進における「内向きのDX」を促進する役割を担います。 「内向きのDX」は、既存の業務プロセスをデジタル技術で効率化し、生産性を向上させることを指し、人手不足の解消や業務の効率化をITで解決することを目指します。RPAを導入することで、人手で行っていた定型業務を自動化し、業務効率化や人材コストの削減、作業品質の向上を実現できます。

しかし、RPAだけではDXのすべてをカバーすることはできません。DXを実現するためには、RPAなどのITツールの導入だけでなく、企業文化の変革や組織全体での協力体制、リーダーシップ、そして新しいビジネスモデルの創出などが不可欠です。

「RPA DX」を考える上で、以下のような課題が挙げられます。

RPA導入の目的と目標設定

RPAを導入することで、どのようなビジネス上の成果を達成したいのか、具体的な目標を設定する必要があります。単に業務効率化を目指すだけでなく、顧客満足度向上や新サービス創出など、より高いレベルの目標を設定することが重要です。

業務プロセス全体の可視化と見直し

RPA導入前に、現状の業務プロセスを可視化し、非効率な箇所やボトルネックを洗い出す必要があります。RPA導入を契機に、業務プロセスそのものを見直し、改善することで、より大きな効果が得られます。

適切なRPAツール選定

RPAツールは、様々な種類や機能があります。企業の規模や業種、自動化したい業務内容、そして担当者のITスキルレベルなどに応じて、最適なツールを選定する必要があります。

社内体制の整備

RPAを導入・運用するためには、専門知識を持った人材の育成や、RPAの管轄部署の設置、そして全社的な協力体制の構築などが重要になります。

費用対効果の測定

RPA導入にはコストがかかります。導入効果を最大化するためには、自動化による効果とコストを比較検討し、適切な導入範囲を決定する必要があります。

従業員の意識改革

RPA導入によって、従業員の仕事内容や役割が変わる可能性があります。従業員の不安や抵抗を解消し、積極的にRPAを活用してもらえるような環境づくりや意識改革が必要です。

これらの課題を克服することで、「RPA DX」を成功させ、企業の競争力向上に繋げることが可能になります。

RPA導入の成功ポイントと失敗しないための完全ガイド

RPA導入ステップ:DX推進のための準備と段階的アプローチ

RPA導入は、DX推進の重要なステップとなりますが、成功させるためには適切な準備と段階的なアプローチが必要です。 以下のステップとポイントを参考に、RPA導入を進めていきましょう。

1. 企業全体のビジョンと目標の明確化 (DXの目的設定)

RPA導入は、単なる業務効率化を目指すのではなく、企業全体のDX推進という大きな目標を達成するための一つの手段として捉える必要があります。

RPAの導入にあたっては、まず企業としてのビジョンを明確にすることが重要です。RPAを活用して、最終的にどのような企業を目指し、どのようなビジネス成果を達成したいのかをはっきりと設定しましょう。たとえば、「顧客満足度の向上」や「新しいサービスの創出」、「グローバル市場への進出」、「働き方改革の推進」など、具体的なビジョンを持つことが導入後の目標達成に向けた指針となります。

次に、RPA導入の目的と目標を具体的に設定しましょう。RPAによって解決したい課題や期待する成果を明確にし、それに基づいて具体的な目標を立てます。たとえば、「年間○○時間の業務時間を削減する」や「人件費を○○%削減する」、「ミス発生率を○○%削減する」といった、数値化できる目標を設定することが望ましいです。こうした目標を掲げることで、RPAの導入効果を測定しやすくなり、進捗や成功度合いを明確に把握できるようになります。

さらに、RPA導入後の効果を測定するために、適切な指標を設定することも欠かせません。たとえば、「業務処理時間の短縮率」や「エラー削減率」、「ROI(投資収益率)」などの指標を設けることで、RPA導入の効果を客観的に評価し、継続的な改善にも役立てることができます。

2. 業務プロセス全体の可視化と見直し

RPA導入前に、現状の業務プロセスを可視化し、非効率な箇所やボトルネックを洗い出すことが重要です。 RPA導入を契機に、業務プロセスそのものを見直し、改善することで、より大きな効果が期待できます。

RPAを効果的に導入するためには、まず「業務フローの可視化」が重要です。どの業務をRPAで自動化するかを明確にするため、現状の業務フローを視覚的に整理しましょう。特に、複雑な処理をRPAに任せる場合には、業務フローを図解やマップとして可視化しておくことで、担当者以外も業務内容を把握しやすくなり、プロセスがブラックボックス化するリスクを防ぐことができます。

次に、RPA導入に向けて「業務の洗い出しと分析」を行い、現行の業務プロセスを詳細に検討することが求められます。具体的には、自動化の効果が大きい業務や、RPAに適した定型業務を優先的に見つけ、RPAで対応可能な業務とそうでない業務を明確に区分することが重要です。

たとえば、RPAが得意とするのは「データ入力や転記作業」「メール送信やファイル転送」「Webサイトからの情報収集」「請求書処理」「勤怠管理」など、繰り返しが多く、ルールに基づいた作業です。これらの業務を中心に自動化することで、最も効果的に業務負担を削減できます。

さらに、RPAの導入を契機に、「業務プロセスそのものの改善」にも取り組むことが推奨されます。単に現行の業務をそのまま自動化するだけではなく、業務フローの順序や内容を見直し、最適化を図ることで、より効率的なプロセスを構築することが可能です。RPA導入の際には、プロセス全体を俯瞰し、業務の無駄や改善点を洗い出すことで、自動化による成果を最大化できるような体制を整えましょう。

3. 適切なRPAツール選定

RPAツールは、様々な種類や機能があります。 企業の規模や業種、自動化したい業務内容、担当者のITスキルレベル、そして予算などに応じて、最適なツールを選定する必要があります。

RPAツールには、大きく「簡易型」と「開発型」の2種類があります。まず「簡易型」は、プログラミングの知識がなくてもGUI操作で簡単にロボットを作成できるツールで、比較的安価で導入が容易です。ただし、複雑な処理には対応できない場合があるため、シンプルな自動化に適しています。一方、「開発型」は、プログラミング言語を使ってより複雑なロボットを作成できる高機能なツールです。こちらはプログラミングの知識が必要ですが、より高度な自動化を実現することができます。

RPAツールを選ぶ際は、業務内容や既存システムとの連携に必要な機能を備えているかを確認しましょう。たとえば、Excel操作、Web操作、OCR(光学文字認識)、AI連携といった機能は、さまざまな業務自動化に対応するための重要な要素です。

また、ツールの操作性も選定の重要なポイントです。担当者のITスキルレベルに応じて、直感的に操作できるGUIツールが向いている場合もあれば、プログラミング経験者向けのより高度なツールが適していることもあります。導入後に担当者が使いやすいと感じるかどうかを考慮することで、効率的な運用が可能になります。

さらに、費用面も忘れてはならない点です。導入コストやライセンス費用、保守費用など、RPAツールにはさまざまな価格帯があり、無料ツールから有料のものまで幅広く存在します。予算に応じたツール選びを行い、必要なコストに見合った効果が得られるよう、しっかりと検討しましょう。

RPAツールの選び方と比較ポイント

4. 社内体制の整備

RPAを導入・運用するためには、専門知識を持った人材の育成や、RPAの管轄部署の設置、そして全社的な協力体制の構築などが重要になります。

RPA導入を成功させるためには、まず「RPA推進チーム」を設置し、専任のチームがリーダーシップを発揮することが重要です。このチームには、RPA導入プロジェクトを推進し、経営層への理解と支援を獲得する役割も担ってもらいます。経営層の理解と協力があることで、組織全体がRPA導入に向けて足並みをそろえ、スムーズにプロジェクトが進行します。

また、RPAツールを使いこなせる「担当者の育成」も欠かせません。RPAの効果を十分に引き出すためには、ツールの操作方法やロボット作成のノウハウを習得した人材が必要です。定期的な研修を実施し、操作スキルの向上を図ることで、RPAの導入・運用がより効果的になります。

さらに、「RPAの管轄部署」を設けることも推奨されます。この部署がRPAの導入から運用、保守に至るまでを一貫して管理することで、各種対応が迅速に行え、RPAの効果を最大化することが可能です。

最終的には、「全社的な協力体制の構築」にも目を向けましょう。RPA導入は一部署だけの取り組みにとどまらず、全社的なプロジェクトとして進めることが成功の鍵です。各部署が積極的に協力し、情報共有や意見交換を行うことで、RPA導入の効果を最大化し、組織全体の生産性向上や効率化に貢献します。

5. スモールスタートで段階的な導入

最初から大規模な導入を行うのではなく、小規模な業務から始め、成功体験を積み重ねながら、徐々に導入範囲を広げていくことが重要です。

RPA導入の初期段階では、まず「パイロットプロジェクトの実施」が効果的です。まずは影響範囲の小さい業務を選定し、そこにRPAを導入して効果検証を行いましょう。これにより、実際の業務でRPAがどのように機能するかを確認し、運用上の課題や効果を測定することができます。また、パイロットプロジェクトで得られた知見やノウハウは、RPAの本格導入に向けた計画を調整するための貴重なフィードバックとなります。

パイロットプロジェクトが成功したら、「段階的な導入」に移行し、徐々に導入範囲を広げていきましょう。すべての業務を一度に自動化しようとすると、システムの混乱や予期せぬ問題が発生するリスクが高まります。段階的に導入することで、RPAの効果を最大限に引き出しつつ、運用中に発生する問題にも柔軟に対応しやすくなります。この慎重なアプローチにより、RPAの効果を確実に組織全体で享受できるようになります。

6. 導入による効果検証

RPA導入の効果を測定し、必要に応じて改善策を講じる必要があります。 経済産業省が取りまとめた「DX推進指標」などを活用することで、客観的な評価を行うことができます。

RPA導入後の効果を最大限に引き出すためには、「定期的な効果測定」が欠かせません。導入当初に設定した目標や指標を基に、RPAがどれだけ成果を上げているか、目標達成度合いを定期的に評価しましょう。このプロセスにより、RPAが業務に与えている具体的な効果を把握し、組織全体でその価値を共有することができます。

効果測定の結果を踏まえて、必要があれば「改善」を図りましょう。RPAの運用方法やロボットの動作を見直し、適切な改善を施すことで、さらに効率を高めることができます。改善プロセスを取り入れることで、RPAは変化する業務ニーズに柔軟に対応し、持続的に価値を提供できるようになります。

RPA導入は、DX推進の重要なステップとなります。 上記のステップとポイントを参考に、適切な準備と段階的なアプローチでRPA導入を進めることで、DX推進を成功させ、企業の競争力向上に繋げることが可能になります。

RPAによるDX推進の成功事例

三井住友トラストクラブ

IT部門に頼らず、現場主導でRPAを導入し、段階的に全社展開を進めました。キャッシュバック手続きやカード発行業務など、金額に関するデリケートな業務にもRPAを適用し、年間約2万4000時間の業務削減を実現しました。

野村不動産パートナーズ

経営層がRPA導入を全面的にバックアップし、全社的な取り組みとして推進しました。現場担当者へのサポート体制も充実させ、RPA導入による成功体験を共有することで、年間1万時間ほどの業務削減を達成しました。

リブセンス

コーポレート部門の与信審査、経理、総務業務にRPAを導入し、月約50時間の効率化を実現しました。RPA導入を契機に、メンバーが業務フロー全体を俯瞰的に見直すようになり、成長機会の創出にも繋がりました。

WILLER

週末に行っていたWebサイトの商品販売停止作業をRPAで自動化し、月231時間の効率化を実現しました。RPA導入の目的を「業務効率化」ではなく「生産性重視」と捉え、社内啓蒙活動「ロボ活」を通して、RPA導入を成功させました。

これらの成功事例から、RPA導入によるDX推進を成功させるためのポイントとして、以下の点が挙げられます。

RPAによるDX推進が失敗する可能性

RPA導入によるDX推進が失敗する可能性として、いくつかのポイントが挙げられます。まず、「目的が曖昧」な場合です。単なる業務効率化だけを目的にしてしまい、企業全体の変革や戦略的なDX推進に繋がらなければ、RPAの本来の価値を引き出せません。

また、「現場の理解不足」も大きなリスクです。現場担当者が「RPA導入によって自分の仕事が奪われる」と誤解し、抵抗感を持ってしまう場合には、RPA導入の意図や効果を丁寧に説明する必要があります。

さらに、「不適切なツール選定」は期待通りの効果が得られない原因となります。業務内容に適さないRPAツールを導入すると、効果が十分に発揮されず、むしろ運用の障害となることがあります。

「運用体制の不備」も失敗要因の一つです。RPA導入後、ロボットのメンテナンスやトラブル発生時の対応ができる体制を整えていなければ、業務が止まってしまうリスクが増大します。

最後に、「効果測定の不足」が挙げられます。RPA導入の効果を定期的に測定しないと、改善活動が進まず、結果的にプロジェクトの価値が薄れる可能性があります。

RPAによるDX推進で押さえておくべきポイント

RPAはDX推進の強力なツールとなりえますが、導入すれば必ず成功するわけではありません。成功させるためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

1. RPAはDX推進の手段であることを理解する

RPAは業務効率化を実現する有効な手段ですが、DXそのものではありません。 RPAは、DXを達成するためのより大きな戦略の一部として捉えるべきです。 つまり、RPA導入はあくまでもスタート地点であり、最終的にはビジネスモデルや組織、企業文化・風土の変革を目指していく必要があります。

2. 目的を明確にする

RPAを導入する目的を明確にすることは非常に重要です。 単なる業務効率化にとどまらず、RPA導入によってどのようなビジネス上の成果を達成したいのか、具体的な目標を設定する必要があります。 例えば、顧客満足度の向上、新サービスの創出、市場競争力の強化など、企業全体の目標と整合性の取れたRPA導入計画を策定することが重要です。

3. 導入範囲と対象業務を適切に選定する

RPAはあらゆる業務に適用できるわけではありません。 あらかじめ自動化に適した業務を洗い出し、RPA導入の効果が期待できる業務範囲を明確にする必要があります。 特に、定型化された反復作業や、ルールベースで判断できる業務はRPAによる自動化に適しています。

4. 業務プロセスを見直す

RPA導入を契機に、既存の業務プロセスを見直し、改善する意識を持つことが重要です。 単に既存業務をRPAで置き換えるのではなく、より効率的な業務フローを構築することで、RPA導入の効果を最大化できます。

5. 適切なツール選定と段階的な導入

企業の規模や業務内容、担当者のITスキルレベルなどを考慮し、適切なRPAツールを選定する必要があります。 最初から大規模な導入を行うのではなく、小規模な業務から始め、成功体験を積み重ねながら、段階的に導入範囲を広げていくことが重要です。

6. 社内体制の整備と人材育成

RPA導入を推進するための社内体制を整備し、RPAを運用・管理できる人材を育成する必要があります。 経営層がリーダーシップを発揮し、RPA導入の重要性を社内に周知徹底することが重要です。 また、現場担当者に対してはRPAに関するトレーニングを実施し、RPAツールを使いこなせるようにサポートする必要があります。

7. 効果測定と継続的な改善

RPA導入後も定期的に効果を測定し、必要に応じてRPAの運用方法やロボットの動作を見直し、改善を続けていく必要があります。 RPA導入によって業務効率化やコスト削減といった成果が得られているか、目標達成度を評価し、さらなる改善につなげることが重要です。

8. RPAと他のデジタル技術との連携

RPAはAIやOCRなどの他のデジタル技術と連携させることで、より高度な業務自動化を実現できます。 例えば、AI-OCRを活用すれば、紙文書のデータ化を自動化し、RPAで処理するデータの範囲を広げることが可能になります。 RPAと他のデジタル技術を組み合わせることで、DX推進をさらに加速させることができます。

これらのポイントを踏まえ、適切な計画と準備のもと、RPAを導入することで、DXを成功に導くことができるでしょう。

RPAを活用した次世代DX戦略

RPAは、業務の自動化を通じて、企業のDXを推進するための有効なツールとして認識されています。しかし、RPAはあくまでもDXを達成するための手段の一つであり、RPAを導入するだけでは真のDXは実現できません。次世代DX戦略においてRPAを効果的に活用するためには、以下のポイントを踏まえる必要があります。

1. 従来型RPAの限界を超える

従来のRPAは、主に定型業務の自動化に焦点を当ててきました。しかし、次世代DX戦略においては、より複雑な業務や非定型業務への対応が求められます。そこで、AI(人工知能)OCR(光学文字認識)などの技術とRPAを組み合わせることで、RPAの適用範囲を拡大し、より高度な業務の自動化を実現することができます。

「AI-OCR連携」を活用することで、紙の書類をスキャンしてデジタル化し、RPAでそのデータを自動処理できるようになります。これにより、これまで人手で行っていたデータ入力や転記作業などの業務を効率化し、人的エラーを防ぐと同時に、業務のスピードを大幅に向上させることが可能です。紙文書の処理にかかる手間が削減されることで、リソースをより重要な業務に充てることができるでしょう。

さらに、「AIによる判断」をRPAに組み込むことで、従来は人間が行っていた複雑な判断が求められる業務も自動化できます。AIが膨大なデータを分析して判断する機能をRPAと組み合わせることで、単純作業だけでなく、より高度な意思決定や選別作業なども自動化し、業務プロセス全体をより効率的かつ高度に運用することができます。

RPAで業務を自動化・効率化するための具体的ステップとメリット 

2. 業務プロセスの抜本的な見直し

RPA導入を契機に、既存の業務プロセスを根本的に見直し、デジタル技術を活用したより効率的なプロセスへと再設計することが重要です。

RPAを導入する前に、まず「業務フローの可視化」を行い、現状のプロセスを把握することが重要です。現状の業務フローを図解などで可視化することで、どこに問題点やボトルネックがあるのかを明らかにし、改善が必要なポイントを明確化します。この段階で課題が整理されることで、RPA導入後の効果がより発揮されやすくなります。

また、RPAだけに頼るのではなく、「デジタル技術の活用」にも目を向けましょう。AIやIoT、クラウドなどの最新技術を業務プロセスに組み込むことで、全体のデジタル化が促進され、さらなる効率化と業務の高度化が実現します。これにより、RPAと他のデジタル技術が相互に補完し合い、シームレスな業務運用が可能になります。

さらに、業務プロセスを「標準化・共通化」することで、RPAの適用範囲が広がり、開発や運用にかかるコストも削減できます。プロセスを標準化することでRPAの設定が簡素化されるため、同じプロセスを複数の業務に適用しやすくなり、スケールメリットを享受しやすくなります。これにより、組織全体で一貫した業務運用が可能となり、RPAの導入効果がさらに向上します。

3. 全社的なDX推進体制の構築

RPAを活用したDX推進を成功させるためには、経営層のリーダーシップのもと、全社的なDX推進体制を構築することが不可欠です。

DXの推進を効果的に進めるためには、まず「DX推進部門の設置」が重要です。この専任部門が戦略の策定から実行に至るまでのプロセスを一元的に管理することで、DX施策が組織全体に統一された形で実行され、変革の方向性が明確化されます。専門的な推進部門があることで、DXプロジェクトが円滑に進むだけでなく、経営層の期待に応えやすくなります。

次に、DX推進に欠かせない「人材育成」もポイントです。RPAやAIなどのデジタル技術を使いこなせるスキルを持つ人材がいることは、DX成功の鍵となります。そのため、RPAやデジタルツールの操作方法、データ活用のノウハウなどを学ぶ研修プログラムを設け、社内のデジタル人材の育成に取り組みましょう。こうした教育により、DXの取り組みを技術面から支える基盤が構築されます。

また、「意識改革」も欠かせない要素です。DX推進のためには、デジタル技術への理解を深めるだけでなく、社員全員が積極的にデジタル技術を活用する意識を持つことが求められます。そのため、社内で啓蒙活動を行い、デジタル技術の有用性やDXの重要性について理解を促すことで、デジタル化に向けた積極的な姿勢を醸成します。このような意識改革により、DX推進が全社的な取り組みとして浸透しやすくなり、持続的な効果が期待できます。

4. データ駆動型経営の実現

RPAによって収集・蓄積されたデータを分析・活用することで、データに基づいた経営判断を可能にするデータ駆動型経営の実現を目指します。

「データ分析基盤の構築」は、RPAの導入をさらに効果的に活用するために重要です。RPAを通じて収集した業務プロセスのデータをリアルタイムで収集・分析できる基盤を構築することで、組織全体の活動をデータに基づいて可視化できます。これにより、プロセス効率の確認やボトルネックの発見がしやすくなり、業務の最適化が可能になります。

また、このデータ分析基盤を活用し、「データに基づいた意思決定」を行うことが、企業の競争力強化につながります。例えば、データ分析結果をもとに、業務の改善点を明確化してプロセスを再設計したり、顧客のニーズに基づいた新サービスを開発したりと、実際のデータを根拠にした判断が可能になります。これにより、データドリブンな経営体制が整い、迅速かつ正確な意思決定が行える企業へと成長できるでしょう。

5. RPAガバナンスの強化

RPAの開発・運用を適切に管理するためのガバナンス体制を構築することが重要です。

RPA導入においては、まず「開発標準の策定」が重要です。RPA開発における標準ルールやガイドラインを策定することで、開発プロジェクト全体の品質を均一化し、効率的な開発が進められる環境を整備します。標準化されたルールがあると、開発者間のばらつきが抑えられ、スムーズなコラボレーションが可能になります。また、後々のメンテナンスやスケーリングも容易になるため、長期的なコスト削減にもつながります。

次に、RPA導入では「セキュリティ対策」が欠かせません。RPAロボットによる業務自動化には、重要なデータにアクセスする場合もあるため、不正アクセスや情報漏洩を防ぐためのセキュリティ体制を徹底する必要があります。アクセス管理やログ監視、データ暗号化といった基本的なセキュリティ施策を実施し、RPAが安全に稼働できる環境を確保しましょう。

また、「運用・保守体制の整備」も不可欠です。RPAロボットの安定稼働を維持するためには、定期的なメンテナンスやエラーの監視が必要です。トラブル発生時には迅速に対応できる体制を整えておくことで、業務への影響を最小限に抑えることができます。運用・保守体制を整備することで、RPAの導入効果を持続的に享受し、スムーズな業務運用が可能になります。

RPAを活用した次世代DX戦略は、単なる業務効率化にとどまらず、企業全体のビジネスモデルや組織文化を変革していくための取り組みです。上記のようなポイントを踏まえ、戦略的にRPAを導入・活用することで、企業はデジタル時代を勝ち抜くための競争力を獲得できるでしょう。

お問い合わせ

Station にご関心をお寄せいただきありがとうございます。以下のフォームよりお問い合わせください。